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NSR50にヤマハWR250エンジンを搭載する。
インジェクションの4スト250になります。
NSR50にWR250のエンジン NSR50にWR250のエンジン
何故4ストのエンジンにしたのか?
CRM250のエンジンも悪くは無いのですが、初期型が発売されたのが1989年。
最終型のCRM250ARでさえ1997年と基本設計が旧い。
部品もメーカー在庫が無くなりつつあり、すでに旧車の部類に入っている。
WR250Xは2001年発売で、モトクロッサーを基本設計にしているためコンパクトで速い。

スペックだけ見るとCRM250がパワーがあるが、オフロード車の味付けのため最高回転が8000rpmでトルク型のエンジンと言える。
その点WR250のエンジンは4ストなのにCRM250のエンジンよりコンパクトに作られている。
カタログスペックではCRM250より劣るが最高回転が10000rpmで伸びが良く、ロード用バイクのエンジンとしても気持ち良く走れる。
インジェクションといういうのも魅力だ。
実際にWR250を走らせてみると驚くほど速い。

そういった理由で今回のバイクはWR250のエンジンに決定。 インジェクションのエンジンをスワップするのは難易度が高いが、やりがいのある仕事だ。

NSR50にWR250のエンジン NSR50にWR250のエンジン
エンジン搭載。
ギリギリ収まっているけどクランクケースはCRM250よりコンパクト。
NSR50にWR250のエンジン NSR50にWR250のエンジン
スイングアームのシャフトはエンジンとスイングアームとフレームを貫通させている。
チェーンラインもエンジンがコンパクトなのでノーマルと同じ位置関係でオフセットしなくて済んだ。
NSR50と同じチェーンラインに収めたエンジン設計は流石ヤマハ。
NSR50にWR250のエンジン NSR50にWR250のエンジン
ヘッドはツインカムのため2ストとよりは大きい。
タンクとの隙間がギリギリなのでタンクを加工。
インジェクションの補器類を入れるとフレームに全く余裕がないくらいビッシリ。
エンジンはコンパクトだけどクラッチだけは大きい。だんだん形になってきた。
ここまでの制作期間は1年。予想はしてたけど手強かった。

仮組み状態でエンジンの始動テスト。
何せインジェクションなので、燃圧とかポンプとか配線とか色々と難しい。
水温の上昇具合も心配だ。
セルを回すとあっけなく、本当に何事も無かったのごとく一発で始動。インジエクョン素晴らしい。

レスポンスが良いエンジンだ。
マフラーの抜けが良いのでパワーも出てるはずだ。
ラジエターのサイズは小さいが水温の上昇も穏やかだ。
どうやらウオーターポンプの流量が多いので冷却性能も良いみたいだ。電動ファンも付いているが中々回る温度まで達しない。
素晴らしいんじゃないかWR250のエンジンは。

NSR50にWR250のエンジン NSR50にWR250のエンジン
ロアカウルが付いていない状態だが、個人的にはこのスタイルの方が好きだ。
メーター回りはシンプル。メーターはWR250のノーマルに追加でデジタルタコメーターと水温計を装備。
WR250はメーターとECUが密接に関係しているのでノーマルのメーターが必要になる。
メーターから燃調の調整が出来るのでセッティングに便利。
NSR50にWR250のエンジン
フレームにスペースが無かったのでレギュレターと燃料ポンプはここにしか付ける場所が無かった。
ロアカウル付けると見えなくなる。
ナンバーは250ccで正式に登録。

走行テスト。
普通に速い。車体も全く安定している。
よく言われる事だが、弱いフレームにパワーのあるエンジン積んで危険ではないかと。
意外とそうでもなく普通に走れる。フレームの補強、足回りの強化、エンジンの搭載位置など確実に作業をすれば普通に走れるんです。
ただし、エンジンのパワーがあるので加速するどいし、ウイリーするし、気は使います。
でも、乗ってて楽しい。すごく楽しい。レーシングバイクに乗ってる感覚。

NSR50にWR250のエンジン
依頼を受けてから納車まで約1年半。辛抱強く待っていただきました。
オーナーはこのバイクで通勤。
この手のバイクは走り始めてから色々と問題点が出てくるものだけど、何の問題も無く走れている。
激しいバイクの割にはセル一発で始動するし、普通に走れるし、楽しいし、壊れないし、最高です。